E4238【拵付脇差】無銘
南北朝時代から室町時代初期にかけての動乱期に流行した「菖蒲造(しょうぶづくり)」の脇差です。菖蒲の葉のように鋭い形状を持つこの造込みは、実戦的な鋭利さと機能美を兼ね備えています。時代背景としては応仁の乱へと向かう激動の最中にあり、武士が常に帯刀を必要とした時期の作風がよく表れています。
刀身は無銘ながら、板目肌が美しく流れる鍛えを見せており、当時の実戦的な作刀傾向が伺えます。刃文は落ち着きのある「直刃(すぐは)」で、小切先へと続く端正な仕上がりです。茎(なかご)は作られた当時のままの形を保つ「生茎(うぶなかご)」であり、栗尻の形状も良好です。金色台付のハバキが、刀身の品格をより一層引き立てています。
外装(拵)は、落ち着いた風合いの黒石目鞘が施されており、どのような場面にも馴染む外観です。鍔(つば)には鉄製の丸形蝶透かしが採用され、武骨な中にも繊細な装飾美を感じさせます。柄巻(つかまき)も緩みなくしっかりと巻かれており、手に取った際の安心感があります。
状態については、錆や刃こぼれがなく、古美術品として大切に保管されてきたことが分かります。37.9cmという扱いやすい寸法と、バランスの良い重量は、日本刀の鑑賞入門者はもちろん、居合の抜刀練習用としても適しています。室町初期の歴史を肌で感じられる一振りとして、自信を持っておすすめいたします。
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- 銘
- 無銘
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- 時代
- 室町時代初期
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- 刃紋
- 直
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- 目釘
- 1
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- 重量
- 311g
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- 刀長
- 37.9cm
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- 反り
- 0.9
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- 元幅
- 2.8
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- 元重
- 0.6
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- 先幅
- 1.7
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- 先重
- 0.4
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- 登録番号
- 栃木県 第3200号
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- 登録年
- 昭和26年